「侮るな東京の山」読書メモ

怖いけど何度も読んでしまう不思議な本

ドキュメント遭難シリーズとか、山岳遭難系の本ばかり読んでしまいます。

特にこの本は、よく行く奥多摩の山々が舞台なので、本を読んでは山に行き、山に行っては本を読みという感じです。
そんなに沢山、山を経験してるわけじゃないんですが、山や自然の恐ろしさに強く引き込まれるものがあるみたいです。

先日登った高水三山のエピソードが冒頭にいきなり出てきます。残念ながらこのエピソードでは登山者の一人が亡くなってしまいます。登山道も入念に整備された比較的安全な山という印象でしたが、山は山ですがら油断できませんね。御前山の遭難エピソードも不思議です。確かに一般登山道を辿る限りなら、道迷いしようがない程よく整備された山でした。そんなところでも、謎のように姿を消し未だに発見されない人がいるというのも山の不思議なところという気がします。

「何であんなにいい道で滑落するんだろう」という隊員の言葉がすべて言い表しているような。。。

登山道の難易度以前に、2足歩行の人間が、山を歩くことにいかに不向きかってことだと思います。木の根っことか浮き石とかに躓いただけで命取りということも多いにありえるわけですから。

とくに川苔山の滑落事故が多いです。それも百陣の滝ふきんで繰り返し起きています。

ネットで調べてみても川苔山は奥多摩の山々で1番遭難が起こりやすいみたいです。川苔山に登るときはかなり気をつけないといけないですね。吉田類さんの日本百低山で見たときは、お散歩感覚で登れそうな雰囲気だったのですけど。

一番印象的なのは最後に収録されているエピソードで「奥多摩に出た山賊」という話でしょうか。
静かな日原集落でまさかの強盗傷害事件。それも、山中の避難小屋で犯行があったということです。
よほど人気の山でない限り、山中では周りに人がいない状況になりやすいので、その状況を利用して犯人は犯行に及んだようです。しかも、避難小屋で一晩共に過ごし、油断している所を後ろから殴りかかってくるという凶行。「きにいらねえな!」とか言いながら殴りかかってくるところも狂っているというか。
だいたい登山者はそんなに所持金なんか持っていないし、強盗したとしてもたかが知れていると思う。食料を奪うって言うのもあるんだけど、登山用の行動食なんか奪って何になるだよ。
犯人の動機については全く理解できなくて、恐ろしさだけが心に残ります。

ヤバい遭難エピソードばかりのこの本ですが、まってろ岩峰の辺りは、何となくホッコリ出来るお話でありました。最初まってろ岩峰は誰かのあだ名かと思ったんですが、そんな経緯で名付けられたのか!と納得でした。

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