「おかえり」と言える、その日まで 山岳遭難創作の現場 読書メモ
著者の中村さんは救急救命センターで看護師をしているときに、山岳遭難者の看護に、当たることがしばしばあり、「どうして、こんな身近な里山で大怪我をするのだろう?」と言う疑問をもつようになりました。そこから、山岳遭難捜索チームLiSS(Mountain Life Search and Support)を立ち上げるに至ります。
LISSの活動を通して中村さんが感じることは、遭難はいつも、ほんの些細なことで起こってしまうということ。山の中では常に遭難が直ぐ側にあると認識させられます。
山岳救助に進んだきっかけは、奥多摩ホウノオレサンで著者が目の当たりにした衝撃的な出来事。当時、登山初心者だった中村さんは、初心者の視点に立ち遭難者を発見する体験をします。導かれるように山岳救助の道へと踏み込んでいきます。
中村さんの山岳救助の特徴は、遭難者及びその家族のプロファイリングを入念に行うことで、遭難者の山中での行動をトレースすることのようです。「普段はイケイケの方か、それとも慎重か」と言った、遭難者の行動パターンや家族しか知らないような普段の癖など細かく聞き取る事で、遭難者の発見へと繋げていきます。
実際に僕も登山していると、登山道がハッキリしない場所に出くわしたりするのですが、登山道かどうか確かめるとこをしないまま進んでいってしまうことが何度か有りました。もう少し進んでみれば、わかりやすい道になるだろう、と言う割と雑な感覚です。たまたま、登山道だったので遭難にはなりませんでしたが、間違いだったら道迷いになっていたかもしれません。
僕は普段から大雑把に物事を捉える曲があるので、山行でもそのくせが出てしまうのかと思います。
本を読んでいて、山中では自分の癖を踏まえて慎重な行動をしなければと思うことが何度もありました。
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