農家暦15年のミニマル農家が考える、農的暮らし、小さな農業を始めるための3つのステップ
こんにちは、雨です。
小さな菜園を15年運営し、野菜の自給自足をしたり、野菜の販売をして生活しています。ここ数年では、さらにキッチン付きの野菜直売所を作り、栽培した野菜を加工販売することも始めました。
このブログでは、農的暮らしや小さな農業の始め方、魅力を初心者にもわかりやすく伝えていきたいと思っています。
自給率が低い日本では、自分で作物を作れるということで大きな安心感を得ることが出来ます。自分で野菜の栽培が出来れば、農薬などの心配もしなくて済みます。なにより、食卓から野菜の量を減らすことなく食費を節約する事が出来ます。節約生活をしても、むしろ食卓に野菜が増えると思うので、野菜不足も解消できます。
一番の喜びは自分の家族や友人に、一生懸命作った作物を食べてもらうことです。本当に野菜作りをしていてよかったと感じる瞬間です。
ステップ1
農的な暮らしや小さな農業を始めたいと思っている人でも、いきなり始めることは出来ません。畑付きの一軒家を買う、又は借りるという方法もありますが、未経験の方がいきなりそこまで行くのは大変な思い切りが必要です。初めから、農地を借りるのはハードルが高いので、まずはプランター栽培から始めるのが良いと思います。
よく、目標を達成するためには出来るだけ早い段階で0を1にするのが良いと言われます。農的暮らしをしたいのに、農地付きの家を買ったり、農地を借りたりするのを待っているのではいつまでも野菜作りの経験が0のままです。まず、身近なプランター栽培から始めて0を1にしてしまいましょう。化成肥料などが入った市販の栽培用土を使うことに抵抗がある人は、腐葉土を作ってみることがおすすめです。腐葉土はJAなどで買うことが出来ますし、かなり時間がかかりますが、一から自分で土を作ることが出来ます。
まず、栽培を始めてみることが第一ステップです。
ステップ2
野菜の栽培を始めたら、栽培した野菜を食生活に生かしたり、余った野菜を販売してみて、節約や副業化することが第二ステップになります。野菜の栽培を実際の生活に生かしていくことで、プチ農的暮らしを体験することが出来ます。
野菜を自給自足することで食費を月に1万円節約できたとします。株式投資で月1万円の運用益を得るとしたら、年利4%×300万=年間運用益12万円です。ですから、月一万円の節約は300万円の投資に匹敵する経済効果を家計にもたらすのです。もし、2万円節約出来たとしたら600万円です。農的暮らしによる節約効果は想像するよりもはるかに大きいのです。
実際に農地を借りて、大半の食料を自給し、毎月5万円の食費を賄えるようになるとしたら、経済効果は1500万円。中山間地や田舎の暮らしでは住宅費も都心に比べれば半分以下にできますから、農的暮らしはうまくやれば豊かな暮らし方になるのかな、と思います。
野菜の販売については場所が確保できたら無人販売を、無人販売が出来るような場所がなければインターネット販売をおすすめします。野菜の販売については、また別の記事でお話します。
ステップ3
第二ステップまで進んで野菜作りの楽しさや、やりがい等手ごたえを感じて、実際に農的暮らしや小さな農業をやってみたいと思うようになったら、農地を借りる、農地付きの住宅を借りる、又は買うなどの方法を考えてみるのが良いかもしれません。
当然、生活に大きな変化をもたらすことなのでここからは慎重になる必要があります。もし、第二ステップで十分プチ農的暮らしに満足しているなら、第二ステップにとどまってもいいと思います。中間的なアイディアとして、プランターや庭での栽培よりもやや大きな市民農園を借りるのも良いと思います。
農村に移住をして農的暮らしをするときに、1番問題になるのは経済的な問題になると思います。野菜の販売で生活費を稼ぐという事を考えるかもしれませんが、野菜の販売益だけで生活費を得ようとするとかなりの重労働になり、理想的な農的暮らしやスローライフとは程遠いものになってしまいます。野菜の栽培による効用はその節約効果と一緒に考えることで、生活効率を最大化できることです。野菜の販売による収益に、過剰に期待しないほうが良いでしょう。
対策として、リモートで都心で働くのに近い収入を得るスキルを身に付ける事や、パートナーがいるなら一人が農作業、一人が外で働き一定の収入を得るなどしたほうが良いです。ただ収入には、自分の時間と労力を使って得られるフロー型の収入と、自分の時間や労力を使わずに収入を得られるストック型の収入があります。農作業はフロー型なので、更にフロー型の収入源を確保すると、けっきょく生活がキツキツになってしまうかもしれません。フローとストックのバランスが大事になります。
僕のおすすめは、ストック型の収入である、株式を運用して一定の収入を得る方法です。このことはまた別の記事でお話します。
いずれにしても、本格的に農的暮らしを始める場合、経済的な問題を必ず解決してから動くことです。それまでは絶対に動いてはいけません。
経済的な問題を解決する前に農的暮らしや小さな農業を初めてしまい、休みもなく長時間の重労働を強いられ、その上に貧しい生活に甘んじなければならなくなった人を何人も見てきました。お金がなくても幸せに生きられる、と言う考え方もありますが、それは一部の人だけです。ほとんどの人にとっては厳しい生活になると思います。
十分貯蓄を増やしておく。リモートで仕事ができるスキルを身につける。資産運用について勉強する。ゆったりと農的な暮らしをスタートさせるためにも、事前の準備をしっかりすることが第三ステップです。
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